蚕を成虫にしてはいけない理由は?繁殖禁止との関係は本当?

蚕を成虫にしてはいけない理由は?繁殖禁止との関係は本当?

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蚕を成虫にしてはいけない理由は?

繁殖禁止との関係は本当?

 

今回はこのような点について解説します。

 

現在、小学生の理科の授業の一環として蚕の飼育をする学校も増えています。

持ち帰ってくることもあるため、蚕の飼育についてあわてて調べる保護者が多いようです。

ところがネット上ではなぜか蚕を成虫にしてはいけない理由は?」「繁殖禁止との関係は本当?」などといった不安になる言葉で検索をされています。

そこで本記事では、なぜこのような検索をされるのか真相を探っていきます。

 

蚕を成虫にしてはいけない理由は?

 

結論は、蚕を成虫にしても大丈夫です

実際に子どもが通う小学校の授業では、成虫にする場合と製糸用とする場合に分けて学習していました。

成虫となった蚕は、実物はふわふわしていて、とてもかわいらしい顔つきです。

そのかわいらしさから、実際に成虫にしてかわいらしいカイコガを鑑賞している人も多いようです。

 

 

皆さん、とてもかわいがっている様子がよく伝わってきますよね。

では、どうして成虫にしてはいけないと言われているのでしょうか?

それは、どうやら私たち人間の勝手からなる理由のようです。

 

蚕を成虫にしてはいけないと言われた理由①:絹糸にした方がいいと考える人が多いため

 

前述したように、蚕の成虫は、とてもかわいらしい姿をしています。

くりくりとした目で白く小さな個体は、どうしても守ってあげたりますよね。

蚕は、成虫になってから1週間~10日程度しか生きません。

一生分の食料を幼虫の時に食べ、成虫になってからは交尾をして子孫を残すだけです。

何も飲まず食わずしてすぐは元気に動こうとしてくれますが、1週間後にはほとんど動かずに成虫の時期を終えてしまいます。

可愛がっているために、死んでしまうと悲しいですよね。

だったら愛着がわく前に絹糸にしてしまった方がいいと、考える人もいらっしゃるようです。

元々、製糸のために人間によってクワコを改良されたのが蚕です。

人間の勝手ばかりで、なんとも言えない気持ちになってしまいます。

 

【余談】
子どもの通う学校では、蚕を成虫にした場合、野生に放ってはいけないと指導されました。
蚕は野生回帰能力を失っており、人の管理下においてしか生息ができません。
成虫にしたあと、野生に返してあげようとしても、飛ぶことも外敵から逃れることもできません。また、生態系への影響も懸念されます。

 

蚕を成虫にしてはいけないと言われた理由②:「蚕糸業法」からの名残

 

日本でも以前は、「蚕糸業法」(さんしぎょうほう)という法律が存在して蚕の管理はすべて法律によって行われていた時代があります。

詳しくは、この後の項目で説明しますが、法律で定められていたために、ご年配の方たちの中では、蚕の飼育すらNGだと思っている方もいらっしゃるようです。

 

蚕はそもそも繁殖禁止なの?

蚕を成虫にしてはいけない理由は?繁殖禁止との関係は本当?

 

現在は、繁殖させても大丈夫です。

安心して飼育してください。

「繁殖禁止」と言われていた理由は、上記でも少し触れました「蚕糸業法」という過去に定められていた法律によるところが大きいかもしれません。

 

昭和20年12月22日に公布、平成9年5月30日に廃止されたため、約50年間「蚕糸業法」によって法律での管理が行われていたことになります。

「蚕糸業法」が制定された当時、ヨーロッパでは、微粒子病(蚕がかかる病気の一種)という経卵伝染する病気が蔓延したようです。

そのため、日本の輸出量が伸び、養蚕は外貨獲得の最有力品目として重宝されました。

だからこそ、日本でも微粒子病への対策として法律で厳しく制定され、微粒子病検査を合格した卵のみ流通可能としていたそうです。

「微粒子病検査の設備や技術のない場合は蚕の飼育が出来ない」という厳格な法律が約50年も続いていたことから、「今でも繁殖禁止なのでは…?」といった名残が残っているのでしょう。

 

もう一度申し上げますが、2022年現在はバッチリ繁殖可能です。(法律の縛りもありません)

 

蚕を成虫にしてはいけないと言われた理由・繁殖禁止との関係まとめ

 

蚕は成虫にしても大丈夫です。

成虫にしてはいけないと言われていた理由は以下2点が考えられそうです。

  1. 成虫になって愛着がわく前に、絹糸にした方がいいと考える人が多いため
  2. 「蚕糸業法」(さんしぎょうほう)からの名残(約50年厳しく法律で定められていた)

 

以上の理由が有力かと思われます。

とはいえ、繁殖禁止とされてきた法律も現在は撤廃されていますので、普通に飼育してもOKです。

 

蚕の幼虫の頃は、桑の葉っぱを用意したり、膨大な便の処理など大変ですが、成虫はとてつもなくかわいいです。

愛着がわいて、また育てたいと願うお子様もいらっしゃいます。

何の問題もありませんので、安心して飼育してください。

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