戦艦大和は沈没しているのに引き上げない理由は?
戦艦大和の沈没場所はどこなのか?
今回はこのような疑問にお答えします。
戦艦大和は、大日本帝国海軍が製造した当時世界最強の戦艦でした。
しかし、太平洋戦争によって1945年4月7日、アメリカ軍によって沈没させられています。
その後、終戦しましたが、2022年9月16日現在、まだ引き上げられていません。
戦艦大和の引き上げが行われない理由や沈没場所などについても諸説がいくつもあるようです。
そこで、本記事ではこのような点について解説していきたいと思います。
目次
戦艦大和を引き上げない理由は費用が高いから?
戦艦大和の引き上げを行わない理由については、いくつかの諸説があります。
よくあげられる理由として引き上げる際にかかる費用が高いからだといわれています。
しかし、お金以外にも理由はあるようです。
戦艦大和を引き上げない理由をまとめると、以下3つではないかとされています。
- 費用の問題
- 技術の問題
- 遺族への配慮
戦艦大和を引き上げない理由①:引き上げに少なくとも数百億円かかってしまう
もっとも有力とされている理由は、引き上げに数百億円という莫大な金額がかかるためだと言われています。
ただし、それも主砲棟など一部のみの金額とされ、実際に戦艦大和の全体を引き上げるとなると予想もできない金額になるようです。
その予算をどこから出すのか?
残念ながら今の日本には、そのような金額を出すことは不可能ではないでしょうか。
戦艦大和を引き上げない理由②:技術的な問題がある
理由の一つとして、技術的な問題もあげられています。
大和は、海底約350mとかなり深い位置に沈没しています。
さらに、大和は全長263m、排水量も65000トンもある巨大戦艦です。
海底で真っ二つに折れ、さらにその周りに残骸がバラバラになってしまっているようです。
その様子は、広島県呉市にある「呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)」で令和3年7月31日~令和4年5月31日まで開かれていた「第29回企画展 竣工80年 戦艦「大和」と呉軍港」にて展示されていました。
この状態から引き上げるとなると、通常のサルベージでは難しいでしょう。
■サルベージによる引き上げ方法
- 沈没した船体の穴を塞ぎ、空気を入れて浮上させる方法
- 巨大な浮き袋を使用し、浮力を利用しながらワイヤーで引っ張る方法
大和は、すでにバラバラになってしまっており、鉄の塊を一つずつワイヤーを使用して引っ張り上げる方法になってしまいます。
しかし、真っ二つに割れたとはいえ、100m程度で何トンもある部分もあると考えられます。
それを運ぶことのできる船もないこともあげられます。
戦艦大和を引き上げない理由③:遺族への配慮
戦艦大和を引き上げることについて、反対されている方もいらっしゃいます。
沈んだ戦艦については、「墓標」のような位置づけにあるとされ、関係者や遺族の中には大和自体がお墓と考えている方もいらっしゃいます。
大和の生存者からも引き上げについては、「そっとしておいて」という声があったとニュースでも取り上げられています。
なお、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)で採択された同条約で、沈没艦は保護すべき文化遺産とされ、引き上げだけでなくその後の売買も禁じられています。
日本は「水中文化遺産保護条約」を批准していませんが、なかなか難しい部分もあるようです。
戦艦大和の沈没場所・現在どこに沈んでいる?
ここからは、戦艦大和の沈没場所について具体的に解説します。
戦艦大和の沈没場所については、北緯30度43分、東経128度04分に沈没しています。
■戦艦大和の沈没場所
丁度、赤いマークが指している位置になります。
鹿児島県の宇治群島宇治向島西方144kmの場所ですが、見渡す限り海です。
また、戦史の記録では大和の沈没地点は北緯30度22分、東経128度04分とあります。
距離にして39㎞ほどの違いがありますが、それについては、はっきりとわかってはいません。
戦艦大和を引き上げない理由・沈没場所のまとめ
戦艦大和を引き上げない理由は3つ。
- 費用の問題
- 技術の問題
- 遺族への配慮
以上3点の理由が有力と言われています。
特に大きな費用の問題については、数百億円もかかるそうです。
技術については、不可能ではありませんが、一つ一つをワイヤーで引き上げるとなると相当な時間がかかりそうです。
遺族への配慮についても、とても難しい部分があります。
遺族や関係者の気持ちを大切にすることも当然のことではないでしょうか。
そして沈没場所については、北緯30度43分、東経128度04分。
鹿児島県の宇治群島宇治向島西方144kmで、戦艦大和は静かに眠っています。